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【Case 4】「言葉」が人を集め、自由なフィールドがコミュニティを育てる
(テレポート × インフォシティグループ)

インタビュイー

  • 平野 友康

    テレポート株式会社
    代表取締役CEO

    平野 友康 氏

  • 高野 雅晴

    インフォシティグループ 株式会社ビットメディア
    代表取締役社長

    高野 雅晴 氏

※所属・役職は取材当時のものとします。

「Tokyo 5G Boosters Project」という看板は、技術的な意味を超えて、人を巻き込むための強力な「アジェンダ」となる。テレポートは、コミュニティ運営プラットフォームを開発。地域コミュニティや街づくりプロジェクトを通じて、「当事者が自分たちの手でDXできる」ことを目指した。大企業や自治体を巻き込んでコミュニティを形成したテレポートとインフォシティの事例は、行政事業を効果的に活用する方法を示唆している。

(写真左から)テレポート株式会社 代表取締役CEO 平野友康氏、インフォシティグループ 株式会社ビットメディア 代表取締役社長 高野雅晴氏

(写真左から)テレポート株式会社 代表取締役CEO 平野友康氏、インフォシティグループ 株式会社ビットメディア 代表取締役社長 高野雅晴氏

  • 高野 正治

    高野氏:私たちが支援したテレポートさんは、(支援開始当時は)まだプロダクトのプロトタイプを作っている段階でした。しかし、「5Gを活用したコミュニティプラットフォームを作る」という旗印を掲げることで、KDDI株式会社や東急株式会社といった大企業を巻き込む名目が立ちました。

    5G自体は技術の実装が進んでいる途上で、当時まだ「言霊(ことだま)」のようなものでしたが、その「言霊」があったからこそ、二子玉川という一等地の商業施設で実証実験を行うことができたんです。

高野氏 イメージ

  • 平野 大輝

    平野氏:創業間もないスタートアップが、いきなり大企業と同じテーブルで議論し、実証まで持っていくのは簡単ではありません。しかし東京都の5G事業という枠組みがあると、「この枠の中で一緒に試そう」と話を始めやすい。

  • 高野 正治

    高野氏:今回の枠組みは、企業から一方的に降りてくるPoC(概念実証)というより、参加者が持ち寄って進める要素が強かった。私たちとしても「これをやりなさい」と指示するより、一緒に「いいね」となって進めるほうが、結果的にモチベーションが上がり、動きが生まれると感じています。

  • 平野 大輝

    平野氏:この「自由度」を最大限に活かし、私たちは二子玉川での街づくり実証だけでなく、その後は福岡県糸島市へと拠点を移し、九州大学と連携した学術研究都市構想「サイエンス・ヴィレッジ」でのまちづくりプロジェクトへと展開しました。

高野氏 イメージ

  • 高野 正治

    高野氏:面白いのは、街づくりが「技術の実証」にとどまらず、市民を巻き込む活動に広がったことです。糸島では「市民生成AI学校」を開催して、市民が生成AIを使って街づくりのプランを考える取り組みに発展しました。

  • 平野 大輝

    平野氏:行政事業を「創業初期に後押ししてもらえる期間」として活用しながら、実験と場づくりを重ね、次の展開に接続していく。その結果、当初想定していなかった地域へ展開し、3年の支援期間が終わった今も継続するコミュニティを育むことができています。

高野氏 平野氏 イメージ

ピボットを経て製品化に成功したMilk.、現場でしかわからない技術の限界を掴んだPiezo Sonic、「東京都事業」という看板を駆使して認知を広げたSYMMETRY、そして「5G」という言葉を旗印に予想外の展開を生んだテレポート──。

4組のストーリーから見えてくるのは、行政支援の価値は資金額だけにとどまらないということだ。失敗を許容する柔軟性、大企業や自治体との扉を開く信用力、そして3年という長期スパンで試行錯誤できる「場」。これらが揃ったとき、スタートアップは新たな可能性を切り拓く推進力を得られる。
この支援のDNAは、現在進行中の後継事業「Tokyo NEXT 5G Boosters Project」にも引き継がれている。「技術はあるが、社会実装の壁に阻まれている」「信頼できるパートナーがほしい」と願うスタートアップにとって、この扉を叩くことは、次なるステージへ進むための大きな一歩となるはずだ。

■「5G技術活用型開発等促進事業(Tokyo 5G Boosters Project)」とは
東京都は、5G技術・サービス等を活用した持続可能な新しい社会の実現等を理念に掲げ、官民を挙げて社会課題の解決をする取り組みとして、令和2年度から令和6年度にかけて本事業を通じ、5Gを活用したスタートアップ企業等の開発・事業化の促進を支援してきました。
本事業では、東京都と協働して支援を行う民間事業者を開発プロモーターとして募集・選定し、多角的な支援を行いました。開発プロモーターは、他の開発プロモーターや通信事業者等と連携・協働を図りながら、最大3年間にわたりスタートアップ企業の開発・事業化を資金的・技術的支援、マッチング支援など多面的に伴走支援を行いました。

5G技術活用型開発等促進事業(Tokyo 5G Boosters Project) イメージ

■「次世代通信技術活用型スタートアップ支援事業(Tokyo NEXT 5G Boosters Project)」とは
東京都では、都内スタートアップ企業が、都心部から郊外・山間部、離島を持つ東京というフィールドを活かしながら、世界で通用する競争力を磨き、5Gをはじめとした次世代通信技術を活用した新たなビジネスやイノベーションを創出し、都民のQOL(Quality of life)向上に寄与する有益なサービスを創出するとともに、各スタートアップ企業の企業価値向上を目指しています。
本事業は、前身事業であるTokyo 5G boosters Project同様、東京都と協働して支援を行う事業者を開発プロモーターとして募集・選定し、スタートアップ企業に対し多角的な支援を行います。開発プロモーターは、3カ年度にわたり支援先スタートアップ企業等の開発・事業化を促進するため、連携事業者(通信事業者や実証フィールド提供者、研究機関、VC・金融機関等)と連携しながら、資金的、技術的な支援やマッチング支援等を行います。支援先スタートアップ企業は、開発プロモーター等の支援を受けながら、次世代通信技術等を活用した製品・サービスの開発及び事業上市を目指します。

▼詳細はこちらをご参照ください(「Tokyo NEXT 5G Boosters Project」ウェブサイト)
https://next-5g-boosters.metro.tokyo.lg.jp/